2021年3月17日水曜日

卒業証書授与式

本日、卒業の日を迎えられた166名の卒業生のみなさん、本当におめでとうございます。先ほどみなさんにお渡しした卒業証書は、中学校の全課程を修了した証です。 

3年間、自分自身の努力もさることながら、ご家族の温かい励まし、地域の方のご支援、先生方のご指導によってたくましく成長し、今日の日を迎えたわけです。みなさんを支えてくださった多くの方々への感謝の気持ちを忘れてはなりません。 

特にこの1年間は、コロナ禍にあって市中総体や吹奏楽コンクールの中止、修学旅行の変更、体育祭や合唱コンクールの変更など、激動の1年間だったと思います。そんな中でも皆さんは部活動や生徒会活動、体育祭や合唱コンクールなどを通して、二中の伝統を後輩にしっかりと伝えてきたことは本当に素晴らしく「さすが三年生」と頼もしく感じました。みなさんが3年間で二中の歴史と伝統を受け継ぎ、さらに新しい歴史を刻み込んだこと、後輩たちのよき道標となってくれたことに、心から「ありがとう」と伝えたいと思います。そして、4月からはそれぞれ自分の選んだ進路で頑張ってほしいと思います。 

今まで共に歩んできた15年間、初めて仲間と離れそれぞれの道を歩き始めるみなさんの門出にあたり、私の好きな「地を養えば花は自ずから開く」という言葉を贈ります。この言葉は作家、石川洋氏の言葉です。そのまま解釈すれば、「土地をしっかりつくる事で花は自分の力で開花する」ということですが、様々な講演会で講師を務めている、鎌田敏氏は著書「夢本」の中で次のように解説をしています。 

地とは根であり、心のことです。心を耕し、心を養うことなく、花ばかりを求めてはいけません。外側ばかりに目を向けずに、内側に目を向けましょう。人生いろいろです。いろいろあるから、花は枯れることもありますが、地や根である心が豊かであれば、花はまた自ら開きます。

心を養うには、「ありがとう」 と言われる生き方が大切です。誰かのお役に立つことを通じて「ありがとう」 と言われるでしょう。この「ありがとう」 と言われる経験が心を温かく養います。 

今年度は新型コロナの影響で大変苦労したと思います。花も一度は枯れたかもしれません。しかし、皆さんの未来はこれからです。心を耕し、心を養い、心を豊かにして新しい花を咲かせてほしいと願います。 

保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。9年間の義務教育を終えての新しい門出を心からお喜び申し上げます。3年間にわたり、皆様のかけがえのないお子様をお預かりして、教職員一同努力してまいりました。至らない点も多々あったことと思いますが、常に本校の教育に対し温かいご理解とお力添えをいただきましたことに厚くお礼申し上げます。 

最後になりましたが、ご来賓の皆様におかれましては、ご多用のところご臨席いただき、誠にありがとうございました。今後とも一層のご指導、ご激励を賜り、温かく見守りくださいますようお願い申し上げます。 

卒業生のみなさん、地を養えば花は自ずから開きます。みなさんの前途に幸多かれと祈り、式辞といたします。 

令和3年3月16日  米沢市立第二中学校 冨所 謙一