2020年5月17日日曜日

一年生全員が入学式に参加できました




 令和2年度新入生のみなさん、入学おめでとうございます。保護者の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。新型コロナウィルス感染防止のため、規模を縮小しての入学式とはなりましたが、こうして皆さんと入学式を迎えることができたことを心から嬉しく思います。
 164名の新入生のみなさんは、晴れて米沢市立第二中学校の生徒となりました。第二中学校は今年創立73周年を迎える伝統ある学校です。その伝統を紡いできたのは、皆さんのお父さんお母さんはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃん、そして地域の方々です。みなさんには本校の歴史と伝統を大切にしながら、さらなる成長を目指して学校生活を送ってほしいと思います。
 さて、これから第二中学校生として充実した三年間を送る皆さんに、自動車やバイク、ジェット機などをつくっている本田技研工業の創業者、本田宗一郎氏の「竹にはフシがある。そのフシがあるからこそ、竹は雪にも負けない強さを持つのだ。」という言葉を贈ります。
 竹には節があります。竹の強さの理由はその節にあります。大雪や強風の中にあっても節が柔軟に伸び縮みしながら全体が大きくしなることで衝撃をやわらげているのです。人生にも様々な節目があります。喜びや希望に満ちた節目もあれば、つらく苦しい節目もあるでしょう。人生において経験する苦労や困難、それがわたしたちの節になるのです。長い竹が強風でもポキッと折れないのは節があるからです。すくすくと天に向かって成長できるのも節があるからです。困難や苦しさを乗り越えることで、その経験が節となり、雪の重みにも耐える強い心、強風にも負けない柔軟性をもたらし、そして次の成長への確かな土台となるのだと思います。
 中学校生活はもしかしたらいいことばかりではないかもしれません。しかし、たくさんの苦労を経験した人のほうが、節の多い強い人間に成長していくのだと私は思います。ですから、皆さんには苦労を乗り越えて、強くたくましく成長してほしいと願っています。たとえ人生の大雪や強風に打たれようとも、米沢の教育が目指す「がってしね」人に育ってください。
 最後になりますが、保護者の皆様には、子どもたちが「がってしね」人間に成長し、誇りをもって中学校生活を過ごせるように、ぜひともお力添えをいただきますようお願いをし、式辞といたします。

令和2年5月17日       米沢市立第二中学校長 冨所 謙一